2003年、東京都の試験研究機関と登喜和食品で共同研究をスタートしました。
自然の野にある納豆菌を探すために、さまざまなツテを辿って探し回り、登喜和食品の大豆生産農家で自然栽培の古代米を栽培している、毎年ピンク色の体長5cmほどのカブトエビが発生する田圃の稲株と土を東京都の試験研究機関に持ち込み、調査を依頼。稲わらから分離した菌を用いて納豆ができることを確認したといううれしいニュースが届き歓喜したものです。
しかし菌が見つかったからといって、それで商業的な納豆がすぐに作れる訳ではありません。納豆製造企業が使用できる安定した良質な納豆菌スターターを創り出すために、2004年、東京都の試験研究機関と都内民間企業と登喜和食品で「独自菌株を利用した納豆製造条件の確立」に関する共同研究契約を締結。さらに研究を進めた結果、非常にさわやかな癖のない納豆ができるような納豆菌スターターが完成しました。独自納豆菌の誕生です!!
人もそうですが、生きものは食べるもので作られるものです。納豆菌も同じ生きものなので、培地になにを採用したらよりおいしい納豆ができるのか?安定した味わいや品質が担保されているのか?など、おいしい納豆を継続的に作り上げていくためには多くのことを突き詰めていくことが求められます。
ひとつひとつを積み重ね、吟味し、試行錯誤を繰り返すなかで、2006年にやっとおいしい納豆が製造できるようになりました。
東京都納豆工業協同組合の組合員と納豆の試作試験を行い、希望する納豆製造企業とともに使用することにしました。
2023年現在、登喜和食品と数社が東京納豆菌を使用して納豆を製造しています。
登喜和食品では2010年から東京納豆菌の使用を開始し、現在では登喜和食品の全納豆に東京納豆菌を使用しています。
それは安全性が担保されているからだけでなく、強い糸引きを持ち、やさしい香りで、大豆の旨みを演出してくれる優れた納豆菌であり、おいしい納豆をお客さまにお届けするという登喜和食品に最適な納豆菌だからです。